無麻酔のメリット&デメリット
一般的に人の場合と違い、犬の歯石除去は麻酔をかけて行われます。
麻酔をかけて行う方が良いのか?
麻酔なしで行う方が良いのか?
とても悩むところです。
ワンちゃんのタイプや症状によって、一概にどちらが良い悪いと決められないのが現状です。
それぞれのメリット&デメリットを知り、ワンちゃんにとって最適な方法を選んであげて下さい。
【麻酔をかけて行う場合】
=メリット=
①全身麻酔で完全に眠らせて行うので、普段、口を触ると噛みつくワンちゃんでも処置可能。
②重度の歯周病の場合でも、抜歯、歯茎の縫合などで治療可能。
③歯周ポケットが深い場合でも、歯茎を開いて掻き出すことにより奥深くにある歯石も除去可能。
=デメリット=
①麻酔下での事故の不安。麻酔をかけることによって起こる身体への負担が大きい為、高齢犬や持病があるワンちゃんにはリスクが高く、健康なワンちゃんでも定期的に処置することはお勧め出来ない。
②前日からの絶食、絶飲によりワンちゃんにストレスをかけてしまう。
③麻酔がかけれるかどうかの健康状態チェックの為、血液検査・X線検査などに何回か通う必要があり高額になりがち。
(一回の歯石除去が平均3万円~5万円)
【麻酔なしで行う場合】
=メリット=
①身体への負担が少ないので、高齢犬や持病があるワンちゃんでも施術可能。またトリミングと同じ感覚で定期的にケアすることが出来ます。
②施術当日まで制限はなく、普段通りの食事が出来る為、ワンちゃんに余分なストレスを与えない。
③多くの場合、一度で終了し比較的安価で出来る。(初回13,200円 半年以内2回目以降7,150円)
=デメリット=
①極度の緊張によりチアノーゼ(酸素欠乏)を起こしたり、かみ癖があるワンちゃんなど、場合によって施術が出来ない場合もある。
②治療をする事は出来ない為、重度の歯周病で抜歯が必要、歯茎の炎症が激しい等の時は処置出来ずにお断りする事になる。
③歯周ポケットが深く、歯茎の奥深くまで歯石が入り込んでいる場合は取り切れない。
本来、歯石除去は信頼出来る獣医師のもとで、麻酔下で行うのがベストです。
ただ持病や高齢で麻酔をかけるのが難しい場合、あきらめるのではなく、麻酔をかけずに歯石除去する方法も選択肢の1つとして考えてみて下さい。